先日のこの記事でご紹介した「負けないテニス」をつい先日読了したのですが、こんなに最高で棘のある本だったこと、すっかり忘れていました。
前回お伝えしたのはアマとプロの違いで、アマの自覚がある人が意識することについて抜粋しました。
今回は「コート上におけるドジ」というパデルに十分応用可能な部分を一部抜粋します。
ドジとは
久しぶりに「ドジ」という言葉を聞きましたが笑、この著者が言うにはドジとは「下手な人」や「(身体)能力が低い人」のことを指すのではなく、「自分自身がもたらした混乱(によるミス)」と定義しています。
「ドジとは、あなたの肉体的能力の限界のせいではなく、あなたが考える能力に一部欠落したところがあるために招いた結果」
だそうで、いわゆる凡ミスやアンフォーストエラー(自らの注意で防げるミス)とは別のものと捉えていて、確かにそのほうが私もしっくりきます。
ドジをしでかすためには、あなたは許し難い方法でミスをしなければならない。
あなたの実力ならば当たり前に返せるボールなのに、何らかの理由でしょっちゅうミスしているとする。
それは、あなたのスピードや技術が足りないのではなく、考えが足りないのである。
それでも頭を使えばいいほうで、考えすらしない。
これがドジである。
ドジの家系図
さらにきびしい言葉が続きます。
「ドジには息子もいる。最初のドジの結果生まれるもので、親ドジに子ドジと言ったところであろうか」
と言っていて子ドジとは、
最初に犯したドジが不利な状況を招いた結果、ポイントを失うことを指している。
(中略)
多くのアマプレーヤーが子ドジを産んだ親ドジに気づかない。
直接ポイントを失った子ドジにしか注意を払わない。
これは“親のせいで不良になったのに、子供にだけ責任を押し付けている”のと同じ姿勢である。
きびしい笑
でもこれは真実です。
これもテニス時代から感じていたことですが、多くの生徒さんは子ドジには関心がありますが親ドジにはほとんど意識が向きません。
時間管理のマトリックスとして以下の図が有名ですが、子ドジ(対策)はこの図でいうところのAで、親ドジ(対策)はBです。
Bは緊急でもないし時間もかかるのでつい後回しにしがちですが、Bが解決したらそこから派生した問題というのは自然と解決していくのですが、これがなかなか難しい。
だから「急がば回れ」とか「アリとキリギリス」の話が身に染みるのだと思います。
歯医者さんの世界に予防治療(根本的治療)と対症療法がありますが、この話は「虫歯にならないようにするために歯医者に行く」のではなく、「歯が痛みだしてから初めて歯医者に行く人」と同じです。
#明日歯医者の予約入ってる人が書いてます
無意識に(親)ドジを犯すことによって、子の代、孫の代になって悲劇的結果をもたらすことになる。
気づかずに犯したドジが、後々逃れられない悪い結果を生む。
状況判断を誤らせたり、つまらないミスを続けることとなる。
「このドジを引き起こす原因として、私は本人の「治そうと思えばいつでも治せる」精神状態(心構え)にあると言っています。
自分が特殊な病気の患者であることをまず認識し、それが精神的な問題であることに気づかなくてはなりません」
きびしいです。
かなりきびしい言い方ですが、「自分を認識すること」と「気づくこと」は上達する上でとても大事なことです。
#それにしたってこんな言い方しなくても
そしてプレー中はこのドジを避けるために、
「絶対にぼんやりしないこと。常に頭を働かせること」
「自分がどのくらいアウトしたりネットしているかに気づくための関心と洞察力を持っていなくてはならない」
と言っていますが、これも同感です。
これもテニス時代から感じていたことですが、自分がミスしたときの(打球)感覚とか、打ったボールの行方に関して驚くほど関心がない人がいます。
「ミスはしたくないし、ミス(の原因)も治したい。けど自分がボールを打ったときの内的感覚には興味があまりない」というのはなかなか理解するのに時間がかかりました。
#コートの七不思議の一つ
感情ドジ
相手のコートがガラ空きで「あとは相手コートに返すだけ」でポイントが取れるというときに、頭の中がある感情的思考に支配されてしまう人がいる。
その感情とは血のたぎりをを追い求める情念。
どれくらい強くボールを打てるか、どれだけ素晴らしい角度で打てるかを見せたくなる。
改めてお伝えしておくと、これテニスの本です。50年以上も前の。
パデルのことを言っているみたいですよね。
陶酔ドジ
ある程度上手なアマプレーヤー同士が、延々と同じコースでラリーをすることがある。
例えば二人ともフォアハンドに誇りを持っているときにこのドジが出現する。
コースを変えることもせず、パートナーはほったらかしたまま。
このとき二人はその続けているラリーに“酔って”いる。
すでに思考能力はなく、お互いにあるのは負けてたまるかという意地だけ。
この二人は多くのドジを犯しているが、いちばんのドジはどうやったら相手がミスするか、その「ミスする“チャンス”をどうやって与えるかを“考えていない”こと」こそが最大のドジ。
ネット前ドジ
ネット前でボールの行方を考えないで動くことはドジ。
アレー(ダブルスコート)を守ことを最優先としないでネットについているのもドジ。
ボールがアレーに来てもパートナー側に来ても構わず手を出すような、パートナーがいることに気づかない自意識過剰なプレーをする人もドジ。
陶酔ドジもネット前ドジもパデルコートでもよく見かける光景なのではないでしょうか。
もしかしたら自分自身に身に覚えのある人もいるかもしれません。
まとめ
この本のおかげでミスには3種類あることが分かりました。
・アンフォーストエラー(凡ミス)
・フォーストエラー
・ドジ
自分がドジを踏んでないか今一度確認してみてください。
フォーストエラーはどうしようもない。
技術を高めればアンフォーストエラーは減らせる。
プレー中頭を働かせていればドジは踏まない。
ここでいう頭を働かせるというのは、考えることではなくて「捉え方」「心構え」「前提」といったことです。
これらはコート上で考えることではなくて、「コートに入る前」に考えておくことです。
この本はそれを考える良いきっかけになる本ですので興味のある方は読んでみてください。
ではまた。
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