教育を求める人 ケアを求める人

コーチング
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コミュニケーション手法の中にティーチング、コーチング、インストラクティング、カウンセリング、メンタリング、井戸端会議など色々なものがあります。

これらは重なり合っている部分が多いので明確に分けるには無理がありますが、私の中では「マイナスからゼロに戻す手法」と「ゼロからプラスにしていく手法」とに分けています。

また民間商業施設において(テニスやパデルの)コーチが提供するレッスンも「教育業」と「サービス業」に分けています。

もちろんどちらかにはっきり分けることは出来ずグラデーションがありますが、それでも「マイナスからゼロにする要素強め」とか「教育業強め」とかいう感覚は持っています。

今日は長年考えていた、コーチが提供するもの(レッスンなど)についての捉え方の一つの答えが出たような気がしたので、気の赴くままに書き綴ってみたいと思います。

教育とケア

答えが出たのは為末大さんのこのXでの一連のポストを見たからです。

ポスト①
ポスト②
ポスト③
ポスト④

お時間のある方には全部見ていただきたいのですが、要約すると人がコミュニケーション(アドバイス手法)に求めるものを大きく分けると、

「今の自分を変えてくれるもの(教育)」
「今の自分を肯定してくれるもの(ケア)」

に分かれるといいます。
私自身も経験りますが、多くの人はこれまで生きてきてこのどちらをも欲する経験をしてきたのではないでしょうか。
癒してほしい、背中をそっと支えて欲しい、生きるので精一杯、という状態ならケアが必要で、言い換えると(心が)マイナスのときは教育は行われません。

ということは教育(変化)というのは自身の状況がゼロ(以上)のときにしか行われない。
マイナスの状態から一気にプラスの状態に持っていこうとすると“壊れて”しまうのは容易に想像が出来ます。

教育とケア。
どちらが良い悪いということではないのですが、一つ明確なのは「教育は“変わろうとしている人(変われる状況にいる人)”にしか行われない(効果がない)」ということで、言い方を変えると「ケアだけでは人は変われない」ということです。
この言葉は私の中にストンと入ってきました。
#全然要約してない

ケアのインセンティブ

パデル(テニス)スクールの商品(レッスン)は教育とケアどちらなのでしょう。
スクール(学校)なのですから教育な気がしますが、多くはケア寄りのスクール(コーチ)が多いです。

なぜかというと、スクールとしては生徒さんに「入会してもらったあとはなるべく長くスクールにいて欲しい」からです。
もちろんそうでないスクールもありますし、他の目的ももちろんあることは理解していますが、大別すると「教育〈 ケア」に重きを置いているとスクール(コーチ)がほとんどです。

何かサービスを受ける際に「快」を求めることはあっても「不快」を求める人はいないのですから(民間事業)、当然と言えば当然です。

一方教育(を受ける)という視点で見た場合、「今のままのあなた」ではまずい場合があります。
為末さんも指摘していますが、教育を受ける場合今の自分を直視し、その自分を受け入れた上で相手(コーチ)からのフィードバック(やアドバイス)を受け入れなければいけないのですが、実際フィードバックを始めると不機嫌にになってしまう人も少なくありません。(言葉にはしなくとも態度に出る人はたくさんいます)

自分が不機嫌になったり不快になったりする場所(や人)の近くにいたいという人はいませんから、こうなると通常はコーチを変えるかスクールを辞め(るかそのスポーツを辞め)ます。

となるとスクールとしては「長く居続けてもらう」という目的を果たせませんから、自ずと「そのままのあなたでいいんですよ」というケア路線に向かうことになります。

為末さんの言葉を借りると、「ビジネスの世界では変えるより癒した方が、人は依存し長くお金を払ってもらえる」のですから当然と言えば当然なのかもしれません。

コーチがパニくるとき

スクール運営で難しい部分はこの教育とケアが混在することで、(意識的にも無意識的にも)このケアを求めている大多数の人の中に、(これまた意識的にも無意識的にも)教育を求めている人が一定数いることです。

もしかしたら(表向きは)教育受けたいという人のほうが多いかもしれません。

スクール入会のきっかけや動機などを直にレッスンで聞いたり、入会申込書などで拝見すると(感覚値では)6割くらいの人が、「上手になりたい」「レベルアップしたい」というようなニュアンスの動機を口にします。

これはケアではなく教育(を受けること)を目的としています。
なぜなら今は自分の到達したいレベルまでは達しておらず、そこに到達するためには今の自分から何かを変える必要があるからです。
ですが興味深いのは、こういった動機を入会申込書に書かれた方に対して「○○さんの今の打ち方は▲▲になっているので、□□にしましょう」とフィードバック(とアドバイスを)すると、拒否反応を示す方が少なくありません。

経験が浅いコーチはここでパニクリます。
生徒さんの言っていることが真逆過ぎるからです。
空気を読まずにゴリゴリ押し通すコーチも時々いますが、多くの場合「・・・。と思いましたけどですよね〜難しいですよね。○○さん!やっぱり今の打ち方のままでも大丈夫です」というケア路線に面舵一杯に進路変更するコーチがほとんどです。

でもっとコーチがパニくるのが半年後ぐらいにその○○さんが、「コーチ、私もう半年もスクールに通ってるのになかなか上手くならないんですけど」と言ってきた場合です。

これはフィットネストレーナーに「毎晩ケーキを食べる習慣は変えたくない。食事のことは指図されたくない。でも痩せたい」というお願いをしているのと同じです。

言葉では教育を欲していながら本心ではケア(してもらうこと)を望んでいるのです。

自分にウソをついていないか確認する

この悲しすぎるボタンのかけ違いはこれまでたくさん見てきましたし、私自身も何度も経験してきました。
みんな一生懸命で誰も悪くない気がするんだけど、一つだけお願いがあるとしたらスクールやレッスンに通う動機に関して「ウソをつかないで欲しい」ということです。

これはコーチにも生徒にもどちらにも言えることで、生徒側は「自分は本当は教育とケアどちらを望んでいるのか」ということで、コーチ側は「自分は本当は教育とケアどちらなら対応ができる(もしくはより得意な)のか」ということ。

教育は出来ないケア専門のコーチが「教育も出来ます」というのは生徒さんに対するウソだと私は考えます。

コーチという肩書き上ありがたいことに、多くの生徒さんはよっぽど見当違いなことでも言わない限りは、私たちコーチの言葉を信じてくれます。

特に教育を望んでいる人であれば尚更で、私が仮に「パデルというのはフォアバックどちらも両手打ちで、グリップはウエスタングリップ(厚いグリップ)で握って打つと上手になれますよ」というウソ(のアドバイス)をお伝えしても、おそらく大半の方は信じてトライしてくれると思います。

私は基本的には教育寄りのレッスンのほうが得意です。
そしてコート上での「ウソを見破る力」は多少はあるほうですので、どうか私のレッスンへお越しの際はウソはつかないようお願いします笑

良いスクール、良いコーチとは

以前同業者とこの話題になりました。

見る人によって違うよね、という結論に至りましたが、私は同業者と選手たちに「良いコーチ」と言われたい。

運営側や生徒さんが言う「良いコーチ(像)」というのは、(良い悪いはさておき)同業者のそれとは少し違います。
平たくいうと「生徒さんをたくさん抱えているスクールやコーチ」を“良い”とするのかどうかということです。
もうお分かりだと思いますが、この状態にしたければケアに比重を置いて運営するのがほぼ正解です。
これまで教育とケアの間を行ったり来たりしてきましたが、どうやら私は教育寄りの空気感のほうが楽しいと感じるようです。
そしてこれは何度もお伝えしていますが教育とケアどちらが良い悪いという話ではありませんからね。
人や(置かれている)環境によって違うと思います。

スクール業界にもある?

製造業の世界にソニータイマーという言葉があります。

これは「「ソニー製品はメーカー保証期間終了直後に故障が頻発する」という噂から、「ソニーは製品の保証期間が過ぎるとすぐ故障が起こるよう製品寿命をコントロールしているのではないか」という、多くの人が一度は経験したんじゃないかというあれです。

メタファーの一つに「耐久性が高くてなかなか擦り減らないタイヤを作ったら、買い替える人がいなくて潰れた」というのがあります。
これと似たやつで「なんでも治すゴッドハンドを持つ整体師がいたんだけど、一度でなんでも治しちゃうから通院する人がいなくて潰れた」なんてのもあります。

スクールだけでなくどんな業界でもある話だと思います。
タイヤメーカーからしたら「すぐ擦り減ってお客さんが定期的に買い替えに来てくれるタイヤ」を作った社員が“良い社員”ですし、整体院からしたら「いつまで経っても治せないけどお客さんが途切れない整体師」が“良い整体師”です。(短期的にはですが)

もっと言うと、「すぐ擦り減る質の悪いタイヤを高い値段で売り続けることが出来る社員」がもっとも重宝がられるのかもしれません。
これはその人が「(質をどこまで追い求めるかという)理想と現実」と「良心の呵責」のバランスをどこで取るかによって変わってくるのかなと思います。

あー書きたい!と思って書き始めたこの記事、まとまっているか分かりませんがここ何十年も考え続けていたことを為末さんに言語化してもらいかなりスッキリしました。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は教育寄りのレッスンが出来ます。
ですので教育を欲している方は是非お越しください。
そんなきっちり割り切れないよという方は「教育とケア」の割合をお伝えいただければ頑張ってなんとかします。

青臭いかもしれないけど「求めるものと提供できるものがはっきりしている」清々しい状態でパデルやテニススクールに通う人が増えたら最高だなぁ。

普段私が使用しているインソール↓

このカーボンインソールを使用させていただいてから今年で5年目になりますが、日を追うごとに安心感が増しています。

他社のインソールからBMZさんのインソールに変えた直後は少し「物足りない」と感じるかもしれませんが、次第に安心感に変わるので是非一度試していただければと思います。(※物足りないと感じるのはBMZさんのインソールが土踏まずをサポートすることを第一に考えていないからです)

簡単に説明すると、足(裏)を正常に機能させるには足のドームが作られていることが重要で、そのためには3つのアーチ(横アーチ・内側縦アーチ・外側縦アーチ)がつながっている必要があって、立方骨を支えるとイイ感じになるそうです。
#最後が雑

よくある「土踏まずのサポート」がメインのインソールだと、内側アーチのみが作られ、それだと「安定はするけど動きにくい」となり、BMZさんのインソールを使うとこの「安定性と運動性」の両方を得ることができます。詳しくはこちら→BMZ

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