「最初からちゃんとやっておけばよかった」という後悔を防ぐにはコーチの再定義が必要

コーチング
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先日レッスン終了後に笑顔で「(パデルって)難しいんですね!」と言われ、パデルの何を難しいと感じているのかなーなんてことを考えていたら意外と頭に浮かんできたことがあるので、ダーッととりあえず書いてみます。
おそらく脱線してまとまりのない内容になるかと思いますので脳内編集よろしくお願いします。

テニスを知らないテニス経験者


その方(以下Kさん)の参加したレッスン内で私は技術の基礎となる部分について説明をしていました。

頭で理解するのは難しくないけどそれを(意識して)実行するのが難しいようで、これはKさんに限らず多くの人が経験があるかと思います。
#わかるとできるの違い

パデルには硬式テニス(以下テニス)と共通する技術的・戦術的な部分が多くあります。
ですのでテニスを知っていればある程度パデルは出来ますし、その逆もまた然りです。

それぞれの技術戦術の原理原則を知っている人なら「あーなるほどパデルって(テニスって)こういう感じね」とそれぞれの大枠を捉えることが出来ると思います。(逆に全く相容れない部分もたくさんあります)

そのレッスンのときは「パデルにもテニスにも共通している技術の基礎」の部分の説明に時間を割いたのですが、Kさんは初めて聞いたようでした。(Kさんはテニス経験者です)

ここからちょっと話が逸れますが、パデルを指導するようになってから現在まで、私は多くのテニス経験者と接してきました。

そこで驚かされるのはけっこうな割合で多くの方がテニスを知らない、考えたことがない、(ちゃんと)教わったことがないということ。

これには元テニスコーチとして多少責任を感じますし、と同時に少数の(と思いたい)なんちゃってテニスコーチに対して少し憤りも感じます。

そしてほんの少しだけ「上手くなりたい!ただし今のやり方は変えずに」という人にも疑問を持ちます。

テニス技術(戦術)の本があったとして、その本の第1章に書いてありそうなことすら知らない、考えたことがない、教わったことがないというのを聞くと、毎回先ほどのようななんとも言えない複雑な感情が湧き上がってきます。

安心してください、私も同じでしたよ

なんて偉そうに言ってますが、私がテニスを「学ぶもの」として捉えたのは20代半ば頃で、それまではテニスコーチでありながらテニスを知りませんでした。
#当時の生徒さんに謝っても謝りきれない

なので当時私にテニスを学ぶきっかけを与えてくれた恩師は、私と接していた際今の私と同じような思いを抱いていたことと思います。
今思い出しましたが、当時その恩師にテニスに関する質問をされ「わからないっス。考えたこともないです」と答えると、「だから庄山君は勝てないんだね」と菩薩のような笑顔で言われたことがあります。
#当時は恩師に「っス」で返事するタイプの若者
#笑顔でズバッと言うタイプの恩師

残念なことに当時私と同じようなコーチはたくさんいました。

テニススクールはテニスの学校なのに先生(コーチ)がテニスを知らないなんてことがあるの?と思う方もいるかと思いますが、残念ながらあるんです。

じゃあなんでテニススクールとして成り立ってんねん?!と思う方もいるかもしれません。
これを書くともう5000文字くらい必要になるのでまたの機会にしますが、簡単にいうとテニススクールという名で「テニスサービス」を提供しているからです。

なぜそうしているかというと「テニスを教わる」より 「(テニスにまつわる)サービスを受ける」ほうがニーズがあるからです。(もちろんそういったスクール(やコーチ)ばかりではありませんし、0か100かではなくそのバランスを上手にとっているコーチがたくさんいることも付記しておきます)

最初からちゃんとやっておけばよかった

おそらくですがテニスもきちんと習ってきた、そしてパデルに移ってからもパデルをきちんと習ってきたという人にとってはテニスもパデルも「難しくはない」と感じるはずで、それはなぜかというと外してはいけない原理原則を掴んでいるからです。

これまでお伝えしているようにパデルの中でテニスの知識で代替できるものは少なくありませんが、パデルにしかないパデル特有の原理原則もたくさんあります。
私が海外のアカデミーに定期的に足を運ぶのはそれを知りたいからです。
#自分が練習したいだけという噂もあります

ここから急にきびしい話(というか素朴な疑問)になりますが、現在パデルコーチをしている人で、テニスもあまり知らないしパデルもあまり知らないという人は、何を根拠に指導しているんでしょうか。

「スクール」の部分より「サービス」の部分に重きを置いてるから関係ないのかな。
それにちゃんとパデルを教えようとしちゃったりなんかしたら、

「そこまでガチでパデルやってないし」
「そんな細かいこと言われたってどうせ出来ないし」
#コートでよく聞くセリフ第2位

こういう反論も大いに想像がつきます笑


でもちょっと考えてみてください。
これってよく考えたらおかしな話ですよね。
数年後にこの人がガチでパデルやりたくなる可能性も、細かいことが理解できてもっとレベルの高いことをしたくなる可能性もありますよね?

そのときこう思うわけです、「あー、あのときちゃんとやって(習って)おけばよかった」と。

スポーツの世界でよく言われる言葉に「あの時に今の頭があれば」「今あの時の身体があれば」というものがあります。
これに関してこの本の序章で触れていますので興味のある方は読んでみてください。

私はこれにプラスして先ほどの「最初からちゃんとやっておけば」があると思っています。
#何度こう思ったことか

でもこう思う人もいるかもしれません。

「今からだって遅くない」と。

そうです、確かにおっしゃる通り。

スポーツの残酷な現実

癖をつける、という言葉があります。

これは良い癖悪い癖どちらの場合も使います。

癖というのは一旦身についてしまうと意識しなくてもそれが表出します。

スポーツにおける練習というのはこの「癖をつける」というのが目標です。

ここからは少しスポーツ(などの身体動作)における残酷な真実をお伝えするので、読みたくない方は「コーチを再定義したい」からまた読み進めていただきたいのですが、スポーツ時に身につけた癖(動作)というのは、最初にその癖を身につけた時よりも、一度ついた癖を取り除くほうが大きな労力がかかります。

言い換えるなら「覚えるより忘れるほうが難しい」。

そしてもう一つ厄介なことに、一度身についた癖というのは「使われやすい」という性質があります。

先ほどご紹介した本によると「人はなるべく短期的な負荷の小さいほう」を選ぶそうで、そのため人は「(今身についている)その癖でなんとかなりそうなときはそれを使う傾向がある」と言います。
#思い当たる節たくさんありますよね

この「(一度身についた癖を)忘れる」ということに関して私が感銘を受けた本がありますので興味がある方はこちらもぜひ読んでみてください。

これ以上きびしいこと言うとスマホぶん投げる人が現れそうなのでこれで最後にしますが、「一から習い始める人」より「一度習った人が新たに習い直す」ほうが時間も労力もかかるということです。
#はいこれで最後です

これには思考の癖も含まれます。

以前若い選手たちと立て続けに練習する機会があったのですが、その時一緒に練習をした多くの選手が一か八か的なショット、プレーを頻発していると感じました。

どうやらそういったプレーを推奨(強制)されていたようで、彼らは「練習の時だけっスよ。試合ではやらないっス」というような捉え方をしていました。
#っス

ここまで辛抱強く読んでくださった方はもうお分かりだと思いますが、これ(一か八かのプレーを選択するという思考の癖)も一度身についてしまえばその癖を消すのに時間がかります。

だから「試合ではやらないけど練習ではやる」「試合ではやるけど練習ではやらない」というのは、この癖をつけるという観点から見るとあまり良い考え方とは言えません。
#コートでよく聞くセリフ第3位

試合でやる(やりたい)ことは練習でもやり、試合でやらない(ようにしたい)ことは練習でもやらないほうがいいということです。

コーチを再定義したい

最後に私の思いを少しだけ。

皆さんはテニスコーチ、パデルコーチという職業にどんなイメージをお持ちですか。
いろいろなイメージをお持ちの方がいるかと思いますが、「ちゃんと習うならコーチに教わったほうがいい」というようなイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、個人的にはコーチを、

パデルコーチ
パデルインストラクター
パデルファシリテーター
パデルサービス提供者
パデル教えたがり兄ちゃん(姉さん)

にそろそろ細分化したほうがいいように思います。
#テニスコーチも

指導者(事業者)側ではもうとっくに察しがついていますが、これらを一括りにするコーチ像はもうさすがに捉え方がざっくり過ぎると思います。
#ざっくりにしたままなのはそうしておいたほうが色々都合がいいから

実際は「パデルサービス提供者」なのに、その人がコーチと名乗ることに関しては中長期的に見たらどちらも不幸になると思います。
#コーチと呼ばれることに苦しむし
#生徒さんはこんなはずじゃなかったとなる

「Coach」という言葉には「目的地へ(最短で)届ける」という意味が含まれています。

コーチとしてコートに立つからには「あの時に今の頭があれば」「最初からちゃんとやっておけば」という後悔をする人を可能な限り少なくしたい。

悪い癖を忘れるための時間を少なくし、あとになっても修正しなくていい間違いの少ないものをお伝えしたい。

テニス時代に自分自身がこのような後悔をしたこともあり、またこうすることで遠回りであったとしてもパデルの普及や強化にいずれつながっていくのではないかと(わりと真剣に)思っています。

「パデルって簡単ですね」

こう発言する人たちが増えたらいいな。

ではまた。

普段私が使用しているインソール↓

このカーボンインソールを使用させていただいてから今年で5年目になりますが、日を追うごとに安心感が増しています。

他社のインソールからBMZさんのインソールに変えた直後は少し「物足りない」と感じるかもしれませんが、次第に安心感に変わるので是非一度試していただければと思います。(※物足りないと感じるのはBMZさんのインソールが土踏まずをサポートすることを第一に考えていないからです)

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