パデルでボールを打つ際、「(テニスで言うところの)コンチネンタルグリップで握りすべてのショットを打ちます」という説明が多い。
これはきっと、「パデルはテニスより簡単なスポーツ」というアピールの流れも汲んでいるのだろう。
テニスはショットによっては握り変える必要があるため、技術的に覚えなければいけない握り方が いくつもある。
また、自分の目指すテニスの方向性や、戦略・戦術的な理由でグリップを選択したり出来るため、こうした「任意」の握り方と、技術的に必須の「(半)強制」的な意味合いの強い握り方を含めると、1人のプレーヤーに対するグリップの選択肢がテニスはとても多い。
現代(といってももうだいぶ前からだが)のテニスは昔のテニスのように、もしくはソフトテニスのようにワングリップですべてのショットをこなすというのはほぼ不可能になってきている。
こう考えるとパデルは確かにテニスよりはグリップの選択肢が少ない。
だからパデルが「テニスより簡単」というのも間違いではない。
間違いではないが正しくもない。
なぜならパデルもグリップチェンジを行うスポーツだからだ。
テニスはコンチネンタルグリップ、イースタングリップ、セミウエスタングリップ、ウエスタングリップ、フルウエスタングリップetc・・本当に様々なグリップがある。
テニスほど幅広くはないが、パデルも状況に応じてだったり、戦術的な意味を考えフォアハンドセミウエスタングリップ〜バックハンドセミウエスタングリップぐらいまでの間でグリップを(無意識的に)変えながらプレーする。
言い換えると、コンチネンタルグリップでは不都合なシチュエーションがあったり、コンチネンタルグリップで打ってしまうと効果が薄くなってしまうシチュエーションがあるということ。
パデル愛好家であればもちろんそこまで考えてプレーする必要はないが、一端のパデルプレーヤーになろうと思ったらグリップチェンジしてプレー出来なければいけない。
いけないというよりは、そうでないと上には行けない。
テニスで戦略・戦術を考える際、「相手のグリップはどんなグリップか」を出発点として考えるのだが、この点においてはパデルもまったく一緒である。
パデルにおいて上を目指そうと思っている人は、くれぐれも「パデルはグリップチェンジしないくていい」という言葉を鵜呑みにしないようにして欲しい。
もし私がパデルのグリップについて聞かれたら、
「テニスほどにはグリップチェンジの頻度も幅もありませんが、多少はグリップチェンジが必要です」
と説明します。
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私が使用しているパデルバット(ラケット)です。
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